|
 |
平成19年度税制改正大綱
一 経済活性化・国際競争力の強化
<減価償却制度>
1 残存価額の廃止
平成19年4月1日以後に取得される減価償却資産について、残存価額を廃
止する。この場合の定率法の償却率は定額法の2.5倍の率とする。
2 償却可能限度額の廃止
平成19年4月1日以後に取得される減価償却資産については、耐用年数経
過時点に1円(備忘価額)まで償却できることとする。
(注)定率法適用の場合は特例措置が講じられる。
なお、既存設備については、償却可能限度額(取得価額の95%)に到達後
5年間で均等償却できることとする。
3 法定耐用年数の見直し
フラットパネルデイスプレイ製造設備(10年⇒5年)など3設備の法定耐用年
数を短縮する。
4 固定資産税の償却資産
固定資産税の償却資産については、現行の評価方法を維持する。
<中小企業・ベンチャー支援>
1 エンジェル税制の整備
(1)特定新規中小企業者の要件の緩和
(2)対象となる特定新規中小企業者の確認手続の合理化
(3)特定中小会社が発行した株式に係る譲渡所得等の2分の1課税の特例の
適用期限の2年延長
2 特定同族会社の留保金課税制度の見直し
特定同族会社の留保金課税制度の適用対象から資本金1億円以下の法人を除
外する。
3 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の見直し
特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度について、適用除外基準であ
る基準所得金額を1,600万円(現行800万円)に引き上げる。
4 取引相場のない種類株式の相続税等の評価方法の明確化
株主総会での議決権がない株式等の種類株式のうち、中小企業の事業承継に
おいて活用が期待される次のものについて、評価方法を明確化する。
(1)配当優先の無議決権株式
(2)社債類似株式
(3)拒否権付株式
5 取引相場のない株式等に係る相続時精算課税制度の特例の創設
推定相続人の一人(受贈者)が、平成19年1月1日から平成20年12月31日ま
での間に取引相場のない株式等の贈与を受ける場合には、60歳以上の親からの
贈与についても、一定の要件の下で、相続時精算課税制度の適用を認めること
とし、2,500万円の非課税枠を 500万円上乗せし3,000万円とする等の措置を講
ずる。
<信託税制>
○ 信託法の改正による新たな類型の信託への対応
(1)受益証券発行信託
@ 特定受益証券発行信託(受益証券発行信託のうち次の要件を満たすもの
をいう。)の信託財産に帰せられる収入及び支出については、受託者段階
で課税せず、受益者が受ける収益の分配について所得税又は法人税を課税
する。
イ 受託者が税務署長の承認を受けた法人であること
ロ 信託に係る未分配利益の額が信託の元本総額の1,000分の25相当額以
下であること 等
A 個人受益者が受ける収益の分配は配当所得として、その受益証券の譲渡
による所得は株式等に係る譲渡所得等として、所得税を課税する。
B 特定受益証券発行信託以外の受益証券発行信託については、その受託者
に対し、信託財産から生ずる所得について、当該受託者の固有財産から生
ずる所得とは区別して法人税を課税する。
(2)受益者等の存在しない信託(略)
(3)受益者連続型信託等(略)
二 金融・証券税制
○ 上場株式等の配当等・譲渡所得等に係る軽減税率の適用期限の延長
上場株式等の配当等に係る軽減税率(所得税7%、住民税3%)の特例及
び上場株式等に係る譲渡所得等の軽減税率(所得税7%、住民税3%)の特
例の適用期限を1年延長する。
三 住宅・土地税制
<住宅税制>
1 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額の特例の創設
住宅の取得等をして平成19年又は平成20年に居住の用に供した場合につい
て、住宅借 入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額の特例を創設
する。この特例は、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除との選択
適用とし、控除期間、住宅借入 金等の年末残高の限度額及び控除率につい
ては、次のとおりとする。
| 居住年 |
控除期間 |
住宅借入金等の
年末残高 |
適用年・控除率 |
| 平成19年 |
15年間 |
2500万円以下の部分 |
1年目から10年目まで0.6% |
| 11年目から15年目まで0.4% |
| 平成20年 |
同上 |
2,000万円以下の部分 |
同 上 |
2 住宅のバリアフリー改修促進税制の創設
住宅のバリアフリー改修工事等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額
の特別控除の特例を創設することとする。
居住の用に
供する期間 |
控除期間 |
住宅借入金等
の年末残高 |
控 除 |
| H19.4.1〜H20.12.31 |
5年間 |
1000万円以下
の部分 |
イ 一定のバリアーフリー改修工事
4月1日に係る工事費用相当部分を
(200万円 限度)… 2% |
ロ イの「一定のバリアーフリー改 修工事に
係る工事費用相当部分 」 以外の
工事費用相当部分 … 1% |
3 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の適
用期限の延長
買換資産である家屋の床面積要件の上限(現行280u)を撤廃したうえ、そ
の適用期限を3年延長する。
(注)この改正は、平成19年4月1日以後に行う居住用財産の譲渡について適用。
4 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等の適用期限の延長
特例の適用期限を3年延長する。
5 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限の延長
特例の適用期限を3年延長する。
<土地税制>
○ 特定資産の買換えの場合等の課税の特例の適用期限の延長
特定資産の買換えの場合等の課税の特例について、長期所有の土地、建物
等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換えの適用期限を2年延長
する。
四 国際課税
1 移転価格税制
国外関連者との取引に係る課税の特例(いわゆる移転価格税制)について、
租税条約の相手国との相互協議に係る納税猶予制度の創設等の措置が講じられ
た。
2 国際的な租税回避の防止
企業グループ内の法人間で合併等(軽課税国に所在する実体のない外国親会
社の株式を対価とするものに限る。)が行われる場合において、合併法人等に
も事業の実体が認められないときは、適格合併等に該当しないこととする措置
等が講じられた。
五 円滑・適正な納税のための環境整備
1 電子証明書を取得した個人の電子申告に係る所得税額の特別控除の創設
電子証明書を取得した個人が、平成19年分又は平成20年分の所得税の納税申
告書の提出を、その者の電子署名及びその電子署名に係る電子証明書を付して
各年の翌年3月15日までに電子情報処理組織を使用して行う場合には、一定の
要件の下、その者のその年分の所得税の額から 5,000円(その年分の所得税の
額を限度とする。)を控除する。
なお、平成19年分に本税額控除の適用を受けた者は、平成20年分においては
その適用を受けることはできないこととする。
2 税務手続の電子化促進措置
(1)電子申告における第三者作成書類の添付省略
所得税の納税申告書の提出を電子情報処理組織を使用して行う際に、医療
費の領収書などの第三者作成書類の記載事項を入力して送信することによ
り、送付等の方法による当該書類の添付等を省略することができることとす
る。
(2)電子署名の省略
電子情報処理組織により申請等を行う際に送信する電子署名及びその電子
署名に係る電子証明書について、その電子署名が次に掲げる者に係るもので
ある場合には、その電子署名及び電子証明書の送信を要しないこととする。
@ 税理士等が依頼を受けて税務書類を作成し、依頼者に代わって電子情
報処理組織により申請等を行う場合のその依頼者
A 源泉所得税の徴収高計算書の送信を行う者
B 税務署等の端末を使用して電子情報処理組織により申請等を行う者
(注)上記@及びAの改正は平成19年1月4日以後に、上記Bの改正は平成20年
1月4日以後に電子情報処理組織により申請等を行う場合について適用す
る。
(3)電子申請等証明制度の創設
電子情報処理組織により申請等を行った者の請求があった場合には、税務
署長等は、電子情報処理組織により行った一定の申請等の日付、名称及びそ
の送信した内容についての証明を電子情報処理組織を使用して行わなければ
ならないこととする。
(注)上記の改正は、平成20年1月4日以後に行う請求について適用する。
七 その他の政策税制
○ 再チャレンジ支援寄附金税制の創設
再チャレンジ支援寄附金税制を創設し、一般の寄附金の損金算入限度額と
は別に、損金算入限度額の範囲内で損金算入ができる措置等を講ずることと
する。
八 その他
1 寄付金控除の引上げ
控除対象限度額を総所得金額等の40%(現行30%)に引き上げる。
2 三角合併等
合併等対価の柔軟化によりいわゆる三角合併等が可能となることに伴い、現
行の組織再編税制の税制適格要件の合併等の対価の範囲に、合併法人等の100%
親法人の株式のみが交付される場合の当該株式を加える。
3 リース取引
ファイナンス・リースに該当するリース取引のうちリース期間の終了の時に
リース資産が無償又は名目的な対価の額で賃借人に譲渡されるものであること
等の要件に該当しないものは売買取引とみなす等、いわゆる所有権移転外ファ
イナンス・リース取引について整備を行う。
4 役員給与の整備
法人の支給する役員給与について、次のとおり整備を行う。
(1)定期同額給与について、職制上の地位の変更等により改定がされた定期
給与についても定期同額給与として取り扱うことを明確化する。
(2)事前確定届出給与について、その届出期限を役員給与に係る定めに関す
る決議をする株主総会等の日から1月を経過する日(その日が職務の執行
を開始する日の属する会計期間開始の日から4月を経過する日後である場
合には、当該4月を経過する日)とするほか、同族会社以外の法人が定期
給与を受けていない役員に対して支給する給与について、届出を不要とす
る。
|
 |
|
|